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物価が高いから生活は厳しい?

同僚に日本育ちで日本語がペラペラな外国人がいるのですが、先日彼と話をしている時に、ある日本語の記事が話題になりました。いや、笑い話になりました。 その記事の内容は「シリコンバレーのエンジニアは高給を得られるが、家賃や物価が高いので、貧しい生活をしている」といういう内容でした。ここで話題にしているシリコンバレーの企業とは、有名どころの IT 企業です。Google で「 シリコンバレー エンジニア 年収 」とかのキーワードで調べると、同等の内容の記事が多く存在することがわかります。結構有名なサイトも同様の記事を掲載しています。 シリコンバレーのエンジニアを目指している方が、間違った情報によって就職を断念してほしくないので、今回は私の経験談を元に、実状を正確に示した記事を書きたいと思います。もちろんシリコンバレーにも様々な企業がありますが、今回話題にしているのは有名どころの IT 企業であることを、念のため初めに明示しておきます。 物価が高いから生活は厳しい? 本ブログの過去の記事「 シリコンバレーのエンジニアの年収 」で 1年目のエンジニアの年収はだいたい 1,600 万円くらい、5 年目では 3,000 万円くらいになることを紹介しました。私個人の経験からすると、年収 1,600 万円としたとき最低限の出費は下記のような感じになります。 税金: 600万円 家賃・光熱費: 360万円 家や車の保険: 10万円 通信費: 10万円 5 年目、年収 3,000 万円ではこんな感じです。 税金: 1,000万円 家賃・光熱費: 360万円 家や車の保険: 10万円 通信費: 10万円 結構手元に残ります。一応、ここでは一般的な出費を憶測しましたが、実際に私が払っている通信費は年間 5 万円、家賃も 300 万円くらいなので、実際はもっと余ってます。残りから食費や旅行費、貯蓄にまわしています。 ただ上記の検索結果で出てくる記事が問題にしているのは、家賃や物価が高いという点でした。これらに関しては「 シリコンバレーの物価と家賃 」に記載しましたが、簡単にまとめると家賃は高いが物価は東京と変わらないか少し高いくらいです。その高さの程度ですが、もちろん各人の生活スタイルに依りますが、収入が上がったら少し良い物件に住んだり、少し贅沢を
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応募から採用までの5つの審査

シリコンバレーの IT 企業でエンジニアとして就職するには、主に次の 5 つの審査を通過する必要があります。企業や職種によっては、電話面接が一度しかなかったり他の審査があるなど多少の差異はありますが、だいたいこれらの 5 つの審査があると心づもりをしておきましょう。 書類審査 電話面接その1 電話面接その2 電話面接その3 現地面接 この記事では、それぞれの審査でどのような試験が行われるかを説明するとともに、採用面接官としての経験を持つ筆者が感覚として得た通過率も記載します。 書類審査 就職の応募は各企業が用意している Web サイトで行います。あらかじめリクルータとコンタクトを取れている場合は、リクルータの指示に従ってください。Email で必要な情報を提出する場合もあれば、Web サイトで入力するように指示される場合もあります。 送られた履歴書は、リクルータによって審査されます。ここでは応募要件を満たしているかのチェックなど簡単な審査が多いです。 書類審査の通過率は 50% くらいだと思います。数字的には半分しか通らない厳しい審査のように思えますが、実際には必要要件を満たしていない応募の足切りです。給与や待遇の良い会社には、要件を満たしていなくてもユニークな自己アピールをして何とか職を得ようとする多くの人が世界中から応募してきます。これら一人一人に対応している時間もないので、足切りが行われます。 電話面接その1 リクルータとの電話面接です。これは実際は審査ではなくて、次のステップであるエンジニアとの電話面接の日程調整だったりします。あと、応募する職種についての相談などができ、変更などもできます。 特に審査が行われる訳ではないので、このステップの通過率は 100% だと思います。 電話面接その2 ここからが本当の審査です。電話、もしくはスカイプなどの会話ツールを使い、エンジニアから出されたアルゴリズムの問題を解きます。時間は1 時間ほどです。難しい問題を 1 問だけ出す出題者もいれば、簡単な問題を数問解かせる出題者もいます。Google Docs や Collabedit などのオンライン・文書共有ツールを用い、エンジニアと会話しながらリアルタイムでプログラムを書く必要があります。 ポイントとし
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シリコンバレーのエンジニアの年収

シリコンバレーの有名 IT 企業に勤めたときにもらえる、お金の話をしましょう。 これまで私の同僚や他企業の友人など、様々な役職の方と収入について時折話す機会がありました。そこで、彼らから得られた情報と私の経験から、シリコンバレーの有名 IT 企業に勤めたときに得ることができる年収を見積もります。ただし私を含め友人たちは大体 2 年くらいで昇進し、5 年も同じ企業に勤めている人は少なく、5 年のうち 1 度は転職している人が多いです。 もちろん役職だけでなく個々の経験や実績によって額は異なりますが、基本的な給与に加え、株やボーナスを含めた年間でもらえる総額としては、大まかに下記のように見積もることができました。 1年目、$160,000 (1,600万円くらい) 2年目、$190,000 (1,900万円くらい) 3年目、$220,000 (2,200万円くらい) 4年目、$260,000 (2,600万円くらい) 5年目、$300,000 (3,000万円くらい) 大卒の1年目で $240,000 ももらっている人もいました。内訳は大体下記のような感じです。 給与: 年間総額の 3 分の 2 弱 ボーナス: 給与の 5 ~ 15% RSU または ストックオプション: 年間総額の 3 分の 1 弱 ESPP: 年間総額の 1 ~ 5% 追記) 上記では毎年給与が 1 ~ 2 割近く上がっています。これも会社や個人の業績によって異なってしまうので一般化できないかもしれませんが、知人から得た情報や私の経験からすると、半年や 1 年ごとに行われる契約更新の際に RSU が追加贈与されることによって、年収が順調に増加していきます。 例えば、初回の基本給を $120,000 として毎年 10% アップするとします。理由としては、個人の努力だけでなく企業の業績によっても年収上昇率が変わるのですが、だいたい 5 ~ 15% 上がっているようなので平均の 10% としました。ボーナスは初めは 7%、2 年ごとの昇進で 3% 上がるとします。つまりボーナスは 3 年目に 10%、5 年目で 13%とします。そして初回の RSU $120,000 分を 4 年で満期とし、2 ~ 4 年目に新たに RSU $60,000 分を 4
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